■ 抄録・要旨
| 人間活動に伴い排出される二酸化炭素は,地球温暖化に対して最も影響の大きい温室効果ガスであり、1960年代の前半から世界各国で大気中の二酸化炭素濃度の観測が実施されてきた。しかし、これらは清浄な地域における観測を主な目的としていた。そこで埼玉県では、二酸化炭素の排出の実態を総合的に把握するため、大都市近郊において平成3年度にWMO標準ガスを基準とした二酸化炭素濃度の精密観測を開始し、現在も本事業の一環として堂平山(東秩父村)と騎西(加須市)の2地点で観測を継続している。
平成23年度の二酸化炭素濃度の年度平均値は、堂平山で399.99ppm、騎西で414.34ppmとなり、前年度と比べてそれぞれ0.46ppm、2.04ppm増加した。また、騎西では人為的な排出源からの汚染の影響が大きいため、堂平山よりも濃度が高くなったと考えられた。
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